Tm(meltion temperature:融解温度)は、DNAの二本鎖部分が一本鎖へと熱変性して、二本鎖と一本鎖が 1 : 1 で存在する温度です。プライマーやプローブに用いるオリゴヌクレオチドのTmの推定ができれば、アニーリング温度の設定がしやすくなるため、Tmの確認は必須ともいえます。
ニッポンジーンでは、下記参考文献に準拠した式を採用し、ブラウザ上で簡単にTmを計算できるWebツールを用意しました。
使い方は簡単で、「配列入力」欄にDNA配列を入力し、「Analysis」ボタンをクリックするだけです。
必要に応じて、反応系の塩のモル濃度やプライマー濃度を計算に入れることも可能です。
プライマー設計でTm値を計算するメリットは?
プライマーのTmは、アニーリング温度の決定に直結します。通常、Tm値より2~5℃低い温度が理想的と言われています。また、プライマーペア(Forward PrimerとReverse Primer)のTm値はできるだけ近い値に調整します。プライマーペアでTm値が大きく異なると、片方だけが結合しやすくなり、反応が不安定になります。
Tm値を意識したプライマー設計は、PCRを成功させるためのカギとなります。
プローブ設計のポイント
ジェノタイピングプローブの結合親和性は、ミスマッチ塩基を含む場合のTmを計算することによって推定できます。
SNPsを含むターゲット配列(検出対象の遺伝子領域)に対応するプローブの配列を「配列入力」欄に入力します。「ミスマッチ塩基を含む」チェックボックスにチェックを入れると「ターゲット配列」欄が表示されますので、SNPを含むターゲット配列をプローブに対応するように入力します。

上記の配列におけるフルマッチのTmと、ミスマッチを含む場合のTmの差とが大きいほど、判別力の高いプローブとして利用可能です。
プローブ設計時には、変異部位をプローブ中央付近に配置することが一般的です。複数候補を作成し、なるべくTmの差が大きいものを選択してください。
参考文献
- SantaLucia Jr, J. (1998) Proceedings of the National Academy of Sciences, 95(4), 1460-1465.
- Peyret, N., Seneviratne, P. A., Allawi, H. T., & SantaLucia, J. (1999) Biochemistry, 38(12), 3468-3477.
- Allawi, H. T., & SantaLucia, J. (1998) Biochemistry, 37(8), 2170-2179.
- Allawi, H. T., & SantaLucia, J. (1998) Biochemistry, 37(26), 9435-9444.
- Owczarzy, R., Moreira, B. G., You, Y., Behlke, M. A., & Walder, J. A. (2008) Biochemistry, 47(19), 5336-5353.